『Teenage Lust』(1983年)には「An Autobiography of Larry Clark(=ラリー・クラークの自伝)」という副題がついていますが、これは従来的な意味での自伝ではありません。この本には、初期の家族のスナップ写真や大まかな撮影年も記載されていますが、クラークの主な意図は、「年月を巻き戻す」こと、そして他者のイメージを通して自身の10代の過去の瞬間を追体験することにあるようです。 内容は大まかに3つのセクションに分けられており、クラークの家族写真とニューヨークへの移住から始まり、ニューメキシコでのユートピア的なヒッピー生活の探求と法律との様々な衝突を対比させ、タイムズスクエアエリアの若い男性ハスラーの力強く感動的なポートレートシリーズで締めくくられます。処女作『Tulsa』よりも広大で、実験的で、露骨な『ティーン エイジ ラスト』は、思春期の生々しさ、傷つきやすさ、不確かさを核に据えています。 また作品集の最後には、ラリー・クラーク本人による日本語テキストを収録しています