大珍品 図録掲載 幻の焼き物『蛇蝎釉瓢形徳利(宮崎 小松原焼か薩摩苗代川焼鮫肌釉)高さ17,5㎝』江戸～明治期 民芸復興 柳宗悦

サイズは、口径2，2×高さ17，5×底径5です。この場所は、現在の小松原町、神柱神社西側の神柱公園忠霊碑広場付近で、当時は宮丸村の中に含まれ、付近に「松原茶屋」があったようです。第二次大戦中に途絶えていたが、昭和46年に現在の地で再開された。小松原焼は現代の薩摩焼とはまったく異なる魅力があります」と丹山さんは語る。明治時代を迎えると、長峯個人の窯となったようですが、その後は、鹿児島の苗代川から来た陶工たち(李氏や朴氏ら)が焼き物作りを引き継ぎました。その後、第24代久本が、家臣の長峯正員に鹿児島の竪野窯で陶法を習得させ、嘉永5年(1852)、陶器製造所を開窯しました。大正時代には、飯田広輔という陶工の独特な作品が有名になりました。。旧鹿児島藩内の一画を占める都城市内では、薩摩焼の流れを引く、焼き物作りが行われていました。明治40(1907)年頃には、窯場一帯が公園化されることとなり、前田町の一角(現在の中山産婦人科付近)に窯が移されました。天明元年(1781)、都城島津家第22代久倫のときに、現在の蔵原町・天神町あたりに焼物所が開窯されましたが、経営不振のために長く続かなかったようです。朴家はその地で約２５０年の歴史を刻んだ後、幕末も近い万延年間に都城領主・島津久本の招きで都城の小松原に開窯。「もともとは苗代川焼の流れなのですが、都城に移り、都城の土で焼き始めたことで独自の技法が生まれました。ホツやニュウはございません。小松原児童公園や市立図書館北側の柳川原遺跡の発掘調査によって、陶器の外面に「松原」銘のスタンプがあるものが見つかっており、幕末から明治時代にかけての窯業の実在を示す貴重な資料です。鉄分が多い都城の土が簡素で剛健な味わいを生み、表面に細かな割れを与える「蛇蠍（だかつ）」「鮫肌」などの技法は、小松原焼に独特の表情をもたらした。小松原焼の開祖・朴平意は、豊臣時代の文禄・慶長の役によって薩摩に帰属し、苗代川（鹿児島県日置郡）で白土を発見して白薩摩を焼き始めた